仙台と宮城野原とすずむしと

まち活

2009年09月30日 23:51

秋の楽しみ第4弾はこちらです↓





そうです、鈴虫くんです。

鈴虫は仙台市の虫でもあるんですよね。

宮城野区では、たしか、一昔前、「鈴虫おじさん」という方が
いらっしゃいまして、鈴虫を希望者に配布していたんです。
(今でも続いているのかな??)

わだしの父が鈴虫、というか風情のあるものが
好きで、数十年前、
鈴虫おじさんから鈴虫を数匹頂戴してきまして、
家で育てていました。

こまめに世話をしていたこともあって、
最初は5匹程度だったと思うのですが、
2年後には、大きな水槽10個が満杯になるくらい
増えました(*_*;

もう、夜中じゅう「リーン、リーン」の
大合唱です・・・!

わだしも、困って父が不在の時に
庭先に放ったりして、逃がしていたのですが、
一向に庭から鈴虫の鳴き声はきこえません。

おそらく、温室で育った鈴虫は、外界の
「厳しさ」にはなじめず、生存競争に
負けてしまったのだと思います。
(それ以外にもこの温室育ちの鈴虫たち
から学ぶことは非常に多かったのですが)

その後10年位はコンスタントに増えていたのですが、
残念ながら、最近絶滅してしまいました(>_<)
あまりにも近しい関係で増えたからでしょうか・・。

本当に鈴虫を観察していると、
はかなげで、切ない思いを何度もさせられ
ました。
しかも不思議な昆虫です。

写真にあるように、羽を震わせて
心地いい音色を奏でるのですが、
なぜこの薄い羽を震わせただけで
きれいな、それでいて響き渡る
音量がだせるのか不思議でした。




仙台の、宮城野原の鈴虫は有名で、
伊達藩の御姫様たちが秋になると
連れだって、鑑賞会を開き、この小さき
虫の鳴き声に耳を傾けていました。
宮城野原は伊達藩により「野守」が常駐され、
大切に守られてきました。
しかも、宮城野原の鈴虫は個性あふれる
鳴き方をして、それは「リーンリーン」と
七回続けて音を出すのが特徴だそうです。
(「七振り鳴く宮城野の鈴虫」)

日本人は、虫が大好きです。
虫の名前も多いですし、
その鳴き声を聞き分けて
歌を詠む民族は他にいないでしょう。
それは、虫を金銭をだしてまで
身近に置いておく風習があることでも
わかります。

徳島県のある田舎町では、
毎年秋になると、鈴虫を五匹
虫籠にいれて販売し始めます。
確か500円だったと思います。

一匹が約100円です。
一秋、しかもほんの短い時間の
季節を感じるための投資です。

おそらく鈴虫は1gの重さもないでしょう。
1gは1円玉の重さと一緒ですが、ちょっと視点を
変えてみて考えるとすごいことだと思います。
たとえば金は1g約3000円です。
しかもその価値はほぼ半永久的に
続きます。
そう考えると、一瞬の風情を
楽しむために、虫に投じる金額は
非常に比率的に大きいのではないで
しょうか。

このように小さき演奏者に
大きな投資をしてきた日本人ですが、
最近、なかなか自然に聞くことは
できません。
鈴虫ももしかしたら、
環境の悪化、農薬や外来種の影響で
数が少なくなってきているのかも
しれません。
またまた、日本人の感性をはぐくんできた
重要な構成員が危機にさらされています。

やはり、仙台市、しかも宮城野区で生まれ
育ったものとしては、それは耐えられないなぁ、
などと感傷にふけっていたら、
ありました!




岩切界隈の土手を通っていた時です、
ふと目に入りました。




素敵だ~(^.^)
微力ながら、何とかわだしも
よき伝統を継続させていくことに
かかわっていきたいと思います。

(KY)

関連記事